宇宙ツナミとは、銀河同士がぶつかりあう時にできる衝撃波(しょうげきは)のことです
私たちの太陽系に最も近い星は、40兆キロメートル離れています。星と星の間の距離はとても大きいですが、それでも宇宙の星たちは、人間の社会と同じような大小さまざまなつながりを作っています。惑星は星のまわりをまわっているし、その星は銀河の中にいて、銀河はほかの銀河といっしょに、たいてい銀河団にいます。
何千個もの銀河はひとまとめになって、銀河団という都会のような場所にいます。ここには、明るくて若い銀河も、ずいぶん昔に新しい星を作ることをやめてしまった「眠っている」銀河もいます。
何十億年ものあいだに銀河団は、近くの町を吸収して発展している都会のように、近くの銀河団とひとつになります。これが起きるとき、銀河団どうしがぶつかりあってひとかたまりになり、たくさんのエネルギーをほうり出します。このカラフルな写真には、ソーセージ銀河団(おいしそうな名前ですが、形がよくにていますね)として知られている2つのくっついている銀河団によってつくりだされた衝撃波が見えます。
衝撃波は、大海原をつきすすむツナミのように銀河団を突き進んでいきます。しかし、これまで、あまり衝撃波が銀河にどう影響しているのか、よくわかっていませんでした。
しかし、今まで星を作るのを中断していた銀河が、衝撃波の影響(えいきょう)で新しい星を作り始めているということを、天文学者たちは今やつきとめています。その眠っていた銀河が、ふたたび星を生みだすことによって、とつぜん、銀河に新しい命の灯(あかり)がともりはじめました。
衝撃波は、カップ1杯のミルクココアをかきまぜるティースプーンのようなはたらきをします。衝撃波によって銀河にある物質が動かされて、濃いガスでできた雲ができあがります。これらは、新しい星を生みだすために欠かせない材料になります。
残念なことに、衝撃波のショックはできあがった新しい星の数を単に増やすだけのことです。宇宙ツナミは、重たい星を作り出しますが、この星たちは長く生きられず、最後には超新星爆発という強れつな大爆発を起こします。
知っ得ダネ
天の川銀河に近い銀河をもつあらゆる銀河団は、その一生の間に、他の銀河団との合体をひととおり経験しました。
この記事は、王立天文学会から報道発表によります。
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