土星の輪っかは、夜空で最も素晴らしい光景のひとつです。あまり知られていない輪っかは、わたしたちの太陽系の木星、天王星そして海王星などほかの巨大惑星にも見つかりました。
でも、多くの慎重な探索(たんさく)にもかかわらず、輪っかはこれまで太陽系の小さな天体のまわりには見つかりませんでした。カリクロー(10199 Chariklo:ケイローンの妻カリクローからつけられました)という名の小惑星の観測で、この天体が2つのすばらしい輪っかがあることが分かりました。
カリクローが遠い星の前を通ったので、天文学者たちはカリクロー本体とは別のなにかが、遠くの星からの光をさえぎっていることに気づきました。驚いたことに、それはカリクローの2つの小さな輪っかで、外側は7kmで、内側は3kmの幅であることがわかりました。
これは、これまでに、輪っかを持っているとわかった天体で最も小さなものです。そして、私たちは輪っかがどうしてそこにできたのかはまだよくわかっていません。たぶん、小惑星がもう一つの天体と衝突したとき、宇宙に放り込まれたいくつかの岩のかけらが惑星の重力によって取りもどされ、輪っかがつくられたのでしょう。
この小さくて冷たい氷の天体の表面に立っていることを想像してみて下さい。スポーツカーくらいの岩が天体の表面から宇宙に飛び出そうとするのに十分な速さでうごき出しているような、そして、月までの1000分の1くらい近いところにある幅20kmほどの輪っかを想像してみて下さい!
知っ得ダネ
カリクローはギリシア神話に登場する半人半馬の一族・ケンタウロスにちなんでケンタウルス族という一群の天体のひとつです。太陽系の端っこで土星と天王星の間の軌道を回っています。
この知っ得ダネの記事は、ESOからプレス・リリースに基づきます。
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