今まで、時間の始まりに旅行したり、宇宙全体を見よう思ったことがありますか? じつは、この画像を見るだけでそんなことができてしまうのです! プランク宇宙望遠鏡は、宇宙の始まりに発せられた世界で最も古い光りを観測してきました。宇宙がたいへん若かったころの形をあらわすため、これらの観測の結果をまとめたのがこの画像です。青や赤のしみは、今では星や銀河に成長した大昔の「タネ」だと考えられます。
ほとんどの天文学者は宇宙が137億年前に「ビッグバン」とともに生まれたと信じています。それ以前は、宇宙全体がピンの頭より何千倍も小さな泡に詰めこまれていました。そしてとつぜん爆発し、私たちの知っている今の宇宙が生まれました。プランク望遠鏡によって集められるかすかな光は、宇宙マイクロ波背景放射(はいけいほうしゃ)といわれています。これらは地球を取り巻く全方向、宇宙全体に満ちています。このかすかな光を、爆発的に始まった宇宙での初めての明かりなので、「ビッグバンからのこだま」という人もいます。
科学者は現在、この地図上のしみのようなもようが、実はビッグバンが138億年前におきていたという、はっきりとした証拠だといっています。これは私たちが信じていたより、宇宙が8千万年古いという意味です。このすばらしい発見にくわえ、この地図は少しですが不思議なことがあります。地図の下半分により熱くて赤いしみがなぜあるのか? 何が原因で中央に大きな冷たい部分があるのか? もしかしたら、いつかあなたが謎をとく人になるかもしれませんね!
知っ得ダネ
宇宙マイクロ波背景放射は、最初に作られた時はむちゃくちゃ熱かったのですが、130億年にわたって劇的に冷たくなりました。現在は、いちばん冷たい温度である-273℃(「絶対零度」といいます)よりも、2.7℃ だけあたたかい温度です。
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