宇宙の生物という時、宇宙人を考える必要はありません。私達だって、宇宙に住んでいる生物ですから。
これまで、地球の外から生物がやってきたことはありませんし、私達地球人も、遠い宇宙まで行ったことはありません。この先、私達が太陽系をはなれ、遠い遠い宇宙まで旅するチャンスはあるのでしょうか。
もしあるとすれば、きっと行き先は、私達の太陽系から一番近い恒星(こうせい)、ケンタウルス座プロキシマ星でしょう。(ケンタウルス座アルファ星は実は三つの恒星からなっていますが、その中で太陽系から一番近いのがプロキシマ星です。)
現在のロケット技術では、この恒星までたどりつくのに、何千万年もかかってしまいます。しかし、スターショットとよばれる新しい計画では、もっと短く、たった20年でたどりつくことを考えています。
何十本もの強力なレーザーを使って、科学者は秒速6万キロメートルという速度で、小さな宇宙船をとばすことを考えています。この速度だと、月まで7秒もかかりません。
しかし、ケンタウルス座プロキシマ星に、わざわざ行く意味があるのでしょうか。
新しい写真がとられるごとに、この恒星のまわりに面白く、わくわくするものがどんどん見えてきました。昨年、地球ににた岩石型のわく星が、この恒星のまわりを回っていることが発見されました。最近では、小さな岩と氷がリング状に集まった「ダストベルト」が発見されました。
ダストベルトはおどろくほどなじみのあるもので、私達の太陽系にも「小惑星帯(しょうわくせいたい)」と「カイパーベルト」とよばれる2つの特別な場所があります。そこには、大きく成長できなかった、わく星やえい星の「予備の部品」がたくさんあります。
太陽系にこのようなリング状の場所があるということは、ケンタウルス座プロキシマ星にも、おそらくわく星が1つ以上あるのでしょう。今はまだ、リングしか見つかっていませんが。
この発見は、将来のスターショット計画にも役立つはずです。恒星のまわりのようすを正確に知ることで、安全な旅が計画できるのですから。
知っ得ダネ
ケンタウルス座プロキシマ星のまわりのダストベルトにある岩や氷のかけらは、太陽系の小惑星帯やカイパーベルトにとてもよくにています。とても小さなつぶから数キロメートルもあるものまで、様々な大きさのかけらが集まっています。
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