みんな今ごろ、ハロウィンのこわ~い仮装(かそう)行列が終わって、ホッとしているんじゃないかな。でも宇宙には、私たちをこわがらせるものが、まだ一つ残っています。本物のゾンビの星です。
この星は、たんに変なかっこうをしただけのものじゃあありません。この写真のまんなかに写っている星は、本当に死の世界から出てきたのです。しかも腹ペコでね。
私たちの太陽のような星(太陽のような大きさの恒星)が、もっている燃料をぜんぶ燃やしつくしたとき、その星は死をむかえます。このことは星の外側をみるだけでわかります。星の大きさが何倍にも大きくふくらんでいき、それにつれて色がどんどん赤くなっていくからです。
やがて、その星は大きくふくらみすぎてしまい、星の外側の部分は、はがれて、宇宙空間にただよって遠くへ行ってしまいます。
そしてあとには、熱いけれどもとっても小さくなった星の核(かく)が残るだけです。それを白色矮星(はくしょくわいせい)といいます。白くて小さい(矮/小さいの意)から、そうよぶのです。
でも、その星の周りを回っている惑星たちはどうなるのでしょう。熱い炎にのみこまれるという試練に、生き残れるのでしょうか? もしそうならば、何が残るのでしょう?
そう、その答えはですね....、天文学者たちは、今回初めて、何か白色矮星を回っているものがその星に近づきすぎたらどうなるかを、観察することができたのです。でも結果は、けっしていいものではありませんでしたよ。
天文学者たちが観たものは、ある小惑星がこの死んだはずの星(白色矮星)に、危ないほどふらふらと近づいていって、その夕食として思いもよらずのみこまれてしまったということなのです。
写真に見える、中心の死んだはずの星を取り巻いている円ばんの形は、小惑星の粉々にくだけた残がいからできたものです。良い面をあげれば、土星の輪とにているこの輪は、とっても美しいですね。おそらく、ぶつかった小惑星はこのような最後を望んでいたのかもしれませんね。
知っ得ダネ
この星の最後のようすは、これからの私たちの太陽系の運命について、とても大きな手がかりを与えてくれます。幸せなことに、私たちは太陽が最後をむかえるよりも前に、どうやってここから逃げ出すのかを考え出すことができることでしょう。だって、考えるのには充分な、70億年という長い時間があるのですから。
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