「宇宙人はいますか?」は、いちばんよく聞く宇宙の質問のひとつです。その答えは「わかりません」。しかしこの25年間で、太陽ではない遠い恒星のまわりを回る惑星が2000こ近く見つかりました。これだけたくさんの惑星が見つかったことで、質問への答えにぐっと近づくことができました。
このような太陽系の外にある惑星のことを「太陽系外惑星(たいようけいがいわくせい)」または「系外惑星(けいがいわくせい)」といいます。系外惑星はとても遠くにあり、たいへん小さくて暗く見えるため、写真をとるのがむずかしいものばかりです。それでも天文学者は、恒星の揺(ゆ)れを観察するなどのかしこい方法を使って、系外惑星の情報を集めています。
集められる情報のうち、いちばん重要なものに、惑星の大気が何でできているか、があります。大気とは、惑星をとりまくガス(気体)の層(そう)のことです。地球の大気には、私たちの呼吸に必要な酸素(さんそ)が含まれています。酸素は植物が光合成(こうごうせい)を行うときに作られます。植物は大気中の二酸化炭素(と水と太陽の光)から酸素を作りだすのです。
地球の大気には、植物のおかげでたくさん酸素があるので、もしも地球以外の惑星に酸素があれば、生命がいる証拠(しょうこ)にちがいない、と考えられてきました。しかし日本での研究により、生命がいなくてもたくさんの酸素ができる可能性が出てきました。
酸化チタンとよばれる化学物質から、たくさんの酸素ができることがわかったのです。しかもこの物質は、地球のような岩石でできた惑星の表面や、隕石(いんせき)、地球の月にたくさんあることが知られています。
そのため、遠い系外惑星に存在する酸素がたとえ生命の証拠であったとしても、「地球外生命がきっとそこにいるはず」と言う前に、酸素以外で生命の存在を確かめる方法を見つける必要が出てきました。
知っ得ダネ
国際宇宙ステーション(ISS)は地球の大気の上を回っています。宇宙飛行士が呼吸できるように、ISSの船内には地球の大気に似た成分のガスが入れられています。
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