このお話は、私たちの太陽に似た星がはじまりです。その星は腹ぺこで、明るく燃え続けるために、水素ガスをどんどん消費します。でも、そのうちにお腹の中の水素はなくなります。
今や、星はすっかり水素ガスを消費しつくし、どんどん太り、どんどん赤くなっていきます。星はふくれあがった結果、赤色巨星(せきしょくきょせい)になります。
ついには、この星はあまりにも大きくなり、もはやすべてのガスをこれ以上引きとめておくことができなくなりました。星のガスはもれはじめ、宇宙に流れ出し、マユのように星を包みこみます。このマユが、惑星状星雲と呼ばれています。
しかし、これでこのお話は終わりません。私たちは、大食らいの星が一人ぼっちではないと知りました。この星には妹がいました。2つの星は踊るのが大好きで、たがいのまわりで踊って、取り囲んでいるマユはだんだんその姿を変え、チョウの形になります。
しかしながら、すべての惑星状星雲(わくせいじょうせいうん)が、いつでも蝶の形になるというわけではありません。あるものは泡やエスキモー、猫の目、ピエロといったおなじみの形になります。
この写真の天体は、惑星状星雲がどうやってチョウの形になるのかを、私たちに少し教えてくれました。それは、この素晴らしい形をつくるための秘密の成分が、死にかけの星が放つ大量のガスと、ふたつ目の星(伴星:ばんせい)が、すばらしい形を作るための秘密の材料となっています。
知っ得ダネ
天文学者は、この星を中心にして、太陽から木星までの距離よりわずかに遠いおよそ9億キロメートルを内径とするチリの円盤を見つけました。
この記事はESOからの報道記事によります。
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