広々と真っ黒な夜空の向こうに、地球では想像できないくらい魅惑的で巨大、そしてパワフルな天体があります。それは、合体銀河です。
宇宙で銀河と銀河の間はずいぶん離れていますが、二つの銀河がぶつかって、合体するという現象は割とよく起こっています。そういった銀河同士は、お互いに引き合い、よじれ、だんだんと近寄っていき、両方の銀河の形も完全に変わってしまいます。銀河の合体は、爆発的な星形成の引き金となります。さらにもっとすごいことは、銀河の合体によって、銀河中心のモンスター、つまり超巨大ブラックホールに大量のエサを与えることができるのです。
ブラックホールは、重力によって引き寄せる力が強く、光さえも逃げ出すことができません。銀河の中心にあるブラックホールは、超巨大ブラックホールと呼ばれます。その他の場所にあるブラックホールよりもずっと大きいためです。
超巨大ブラックホールが周辺のガスやダストを吸い込むと、宇宙でもっとも明るく、もっともパワフルな天体へと進化します。でも、これが超巨大ブラックホールのエンジンに燃料を供給するのでしょうか?日本人天文学者のチームが、この謎に挑みました。
研究チームは合体銀河を29天体を調べました。そして、それぞれの銀河には、周りの物質をがつがつ食べているブラックホールが少なくとも一つあることがわかりました。
この研究によって、合体銀河にある巨大ブラックホールのなかには、休眠状態のブラックホールがあることがわかりました。このことは、巨大ブラックホールが「食事を始める」ためには、なにか特別な、そしてまだ知られていない条件があることを物語っています。
知っ得ダネ
超巨大ブラックホールは太陽よりも100万倍から数十億倍重い天体です。一方の「普通の」ブラックホールは、太陽よりも三倍から百倍の重さを持っています。
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