専門の天文学者たちは強力な望遠鏡を持っていて、それを使っておどろくような宇宙の写真を撮(と)ることができます。でも、望遠鏡のパワーを最大に活用するためには、地球上のどこに置くかを注意ぶかく考えなければいけません。
望遠鏡を使うのに一番いい場所は、雲ひとつない、すみわたった空がある所です。そして街から遠くはなれていて、夜空を見るのに光でじゃまされないような所がいいのです。天文学者はこの街の灯りを「光害(ひかりがい)」とよんでいます。街からはなれて田舎(いなか)に行くと、たくさんの星が見えるのは、光害が少ないからです。
さばくなどの水のない土地は空に雲がほとんどなく、街から遠くはなれた所にあるので、天文学者にとって宇宙観測に一番ふさわしい場所です。南米にあるチリという国、そこにはアタカマという草も木も生えていない土地がありますが、すでにここには大きな望遠鏡の一群があります。そして今、そこに新たな仲間が加わりました。VSTという口径3メートルの、空の広い範囲(はんい)を調べる新しい望遠鏡です。
アタカマにある一群の望遠鏡は、それぞれ別の仕事を受け持っています。VSTは、宇宙のパノラマ写真を撮影(さつえい)するために作られたので、夜空の広い範囲をすばやく写すことができます。たとえば上の写真では、白鳥星雲(オメガ星雲)という宇宙に広がる大きなガスとチリの雲が、1枚の写真におさめられているのです!
天文学者たちは、まだまだ宇宙の仕組みについて、たくさんの疑問を持っています。ですから、より多くの望遠鏡を世界のいろいろな所に建設する計画があります。
知っ得ダネ
南極大陸には、南極点に望遠鏡が一つあります! 南極大陸は寒いさばくと言ってよく、地球上で最も乾燥(かんそう)した場所です。なかには200万年以上も雨がふっていない場所があるくらいです!
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