「百聞は一見に如かず(ひゃくぶんはいっけんにしかず)」ということわざがあります。たくさんの言葉で説明されるより、一枚の絵を見た方がよくわかる、という意味です。とくに宇宙の天体についてはそうです。
たくさんある天体望遠鏡が同じ惑星(わくせい)や恒星(こうせい)や銀河を観察すると、望遠鏡によってちがうもの、新しいものが発見されることもあります。 この写真は天の川銀河のまん中あたりの部分ですが、まるで宇宙にかかれたらくがきみたいですね。
この写真のおかげで、天の川銀河の中でどんなふうに恒星が生まれたのかくわしいことが分かってきました。天文学者たちは遠いむかしにおこった大きなできごとのヒントを手に入れたのです。そのできごととは大量の恒星が短期間にばくはつ的に誕生したことです。あまりにも集中して恒星が誕生したので、それにつづいてぼうだいな数の超新星ばくはつがおこったほどです。 そのころは、宇宙ではもっとも活発にできごとがおきているころでした。
これらの超新星ばくはつは大変な量のエネルギーを放ち、銀河全体をしばらくの間まぶしく照らしたあと、数週間から数か月かけて消えていきました。この短い間に1つの超新星ばくはつが放出(ほうしゅつ)したエネルギーは、太陽が生まれて消えるまでに出すのと同じくらいの量なんです!
わたしたちのいる天の川銀河の恒星のほとんどは、とても古いということもわかりました。天の川銀河の中心あたりにある恒星の80%は、銀河ができはじめの、今から80億から135憶年前に生まれました。天の川銀河には1千億から4千億個の恒星があると考えられています。
写真提供:ESO/Nogueras-Lara et al.
知っ得ダネ
わたしたちの太陽系は天の川銀河の中心にあるわけではなく、かといって星でできた円ばんのはしっこにあるわけでもありません。銀河中心からはなれたところ、「オリオン腕(わん)」とよばれているうずまきの腕(うで)の中にいます。太陽系が銀河中心のまわりを1周するには、なんと2億年もかかるんですよ!
この記事はヨーロッパ南天天文台の報道発表によります。
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