2017年10月12日、バスの大きさくらいの小惑星(2012 TC4)が、時速25,000キロというジェット機の10倍のスピードで地球のそばをかすめました。
この大きさの小惑星は、地球の大気中ですばやく燃えつきましたが、地球にニアミスした時、たくさんの疑問も投げかけました。地球にぶつかるコースで小惑星をどのようにやっつけることができるでしょうか?どの方法だと成功のチャンスが得られるのでしょうか?
これに答えるために、科学者たちは「機械学習」という方法を使っています。
機械学習は私たちのまわりにあります。迷惑メールをとりのぞくフィルタや、オンラインショップで見られる「あなたにおすすめ」機能など、さまざまな場所で使用されているのです。機械学習では、コンピュータに仕事を実行させるために、その仕事の実行例を示します。コンピュータは、あたえられた例からその仕事を実行する方法を学習します。
今回の場合、コンピューターは地球に向かってくる仮想の小惑星をつくり、何百万通りもの計算をこなしていきました。小惑星の大きさはどう関係するのかとか、かわす方法はどう影響するのかや、さらには、どのくらい早く見つけるのがいいのか、たくさんのポイントを考えつつ、うまくいくところを学習していきました。
この情報を使えば、地球に危険をもたらす小惑星を事前に察知することができます。コンピュータが適切に訓練されると、地球と小惑星がぶつかるのを止める最良の方法を教えてくれるでしょう。
そこで、もしある日に地球にぶつかるコースから小惑星がやってきたら、この小惑星を移動できるか、さらにどうすればぶつからずにすむかを教えてくれます。
知っ得ダネ
地球に向かってくる危険な小惑星に対し、核爆発(かくばくはつ)やいわゆる「重力トラクター」法などのたくさんの方法が提案されています。重力トラクター法は、小惑星の近くで宇宙船をとどめておき、その重力によって小惑星の進む方向をずらすことです。この方法は核兵器を使う方法より成果は得にくいですが、もっと安全です。
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