22 February 2017
今、科学の分野で起こっている最もワクワクすることは、なんといっても地球外生命体を探すことです。それが、いよいよ現実的になってきたこの時代に生きているなんて、すてきでしょう。
ほんの25年前には、宇宙全体の中でも私たちが知っている惑星といえば、太陽系の中にあるものだけでした。でも今は、ほとんどの恒星(こうせい)にはその周りを回る惑星が存在することが分かっています。次のステップは、それらの惑星の中から地球に似たものを見つけることです。 そしてこのたび、まさに探していたものが見つかりました。岩石でできた7つの小さな惑星がめぐっている、よその太陽系です。この新しい太陽系は2つの点で記録的な発見でした。 1つはこれらの惑星が、過去に発見されたものの中で、もっとも地球に近い大きさであること。そしてもう1つは、生命が生きられる環境にもっとも近い可能性が高いことです。
この太陽系が見つかったきっかけは、惑星が恒星の前を横切るときに光がさえぎられて、かすかに暗くなることに天文学者が気づいたことでした。こんなに遠く離れた惑星をじかに見ることはできませんが、この方法を使ってたくさんの情報を集めることができます。
今わかっていることは、これらの惑星には岩石でできた地表があること、地球に近いサイズであること、そして少なくとも7つのうち3つの惑星には海がありそうだということです。ただ、これらの惑星は恒星にずいぶん近いところをまわっており、その距離は太陽から一番近いところをまわる水星よりも近いです。でも実はそれらの惑星の温度は、私たちの太陽系の岩石でできた惑星の温度に近いのです! なぜかというと、この太陽系の中心にある恒星は「超クールな矮星」だからです。質量は太陽の10分の1、温度は4分の1しかなく、放出する光と熱はずっと少ないのです。
クールな矮星とその周りの地球に似た惑星たちは、他にもたくさんあると思われますが、今回のようにまとまった太陽系が見つかったのは初めてのことです。
知っ得ダネ
今回見つかったこの太陽系の中心にある恒星は、小さいとはいえ決して史上最小の恒星ではありません。最も小さい惑星は、木星よりわずかに大きいOGLE-TR-122bです。
この記事は ESOからの報道記事によります。
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