彗星(すいせい)は、夜空に輝く光のショーとして、ときどき新聞の大見出しにのることがあります。そのため、彗星って、まれな、めずらしい天体だという印象をもちますね。でも、それは事実とはまったくちがいます。
実際は今までに何千もの彗星が太陽系内で見つかっていますし、未発見のものももっとあるはずです。そして今や私たちは、他の恒星(こうせい)の周りを回っている何百もの彗星をも発見しているのです。これらの彗星を系外彗星(太陽系以外の彗星)といいます。
惑星と同じように彗星も恒星の周りをまわっています。でも彗星は惑星とちがい、その恒星系の一番外側、中心の恒星の熱や光からとっても遠くはなれた、はしの方で生まれました。それらは岩と氷のかたまりで、ちょうど土でよごれた雪のボールみたいなものです。
彗星が恒星に近づくと、氷はとけだします。そして蒸気のようになって彗星の表面から立ちのぼります。この蒸気は彗星の回りを雲のように包みますが、引き延ばすと8万kmもの長さ(彗星の尾)になることもあります。それって、地球を8個も並べた長さと、ほぼ同じです!
30年もの間、天文学者たちは太陽系から近いところにある若い恒星の光が、きみょうにちらつくのを、みりょく的な観測対象としてきました。でも今や、この光が不思議に輝く現象は、その恒星の前を何百もの彗星が通過しているからだとわかったのです。
彗星が恒星の前を通過すると、そのかたい中心の核と周りのぼんやりした蒸気の雲が、一時的に恒星の光を少しブロックします。このような若い恒星の周りをまわっている彗星は、すでに500個ちかくも発見されています。
知っ得ダネ
私たちの太陽系では、約4000個の彗星が発見されてきました。でもきっと本当は、1兆個(1億の1万倍)ぐらいはあるでしょう!
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