ビッグバンの後のまさに宇宙の始まりに、重力は星を作るために小さい砂粒を引き合わせ始めました。数百万から数十億もの星ぼしは、重力によって私たちが銀河と呼んでいるグループにまとまりました。そして、重力は、さらにその銀河を集めて「銀河団」という一団にまとめました。
銀河団は宇宙全体で最大のグループです。銀河団は、1億度にもなるもうれつに熱い巨大なガス雲とともに、何百から何千もの巨大な、星でいっぱいの銀河をも含んでいます。こんなにぎやかな宇宙の都市のような銀河団にくらべると、私たちの天の川銀河は3,000億個もの星が集まった小さい村のようです。
この絵はじょうずなイラストレータによって描かれました。これは本当の写真ではありませんが、ただ想像だけで描いたものでもありません。この絵は、私たちに100億年前のこの銀河団のありのままのすがたを伝えるため、事実をもとに描かれました。(天文学者がどのように 過去を振り返るかについて知りたい方は『過去からのフラッシュ』を読んでください。)
この絵は、銀河団の中心でできているクモの巣銀河をあらわしています。クモの巣銀河はこれまでに発見された最も古い銀河のうちの1つで、何十ものより小さな銀河が一団を作っています。
地上の工事現場のように、銀河団ができる間はほこりっぽいですね。中で何がはじまっているのかわかりにくいですね。でもだいじょうぶ、私たちはいまや、濃いもやの向こうをしっかり見ることができる望遠鏡を持っています。
そういった特別な望遠鏡のうちの1つを使って、天文学者は初めてクモの巣銀河集団の中で生まれている赤ちゃん星をなんとか見ることができました。しかし天文学者が赤ちゃん星がどこで生まれているのかを見つけたとき、思いがけないことがあったのです。
その名前からわかるように、クモの巣銀河には中心から外へ伸びているたくさんの糸のような腕があります。天文学者は大部分の新星がこの巨大な銀河の中央でできているのを発見するだろうと期待しましたが、実は、その代わりに、大部分の星はひょろ長い糸のうちの1つに引っかかった小さな場所で生まれていることがわかりました。
知っ得ダネ
この発見をするために、天文学者は5000メートルの山の頂上にある望遠鏡コントロール室(ALMA)で、40時間のあいだ勇敢(ゆうかん)に取り組まなければなりませんでした。そこはヨーロッパ・アルプスのモンブランの山頂より高いところです。
この記事はESOの発表をもとにしました。
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