今では、ほとんど、誰もが銀河の写真を知っていますが、100年たらずの昔には、世界最高の天文学者たちのほとんどが、銀河の存在を信じていなかったなんて、考えられないでしょう?
天文学で最も重要なできごとのひとつは、1920年のハーロー・シャプリーとヒーバー・カーティスの間におきた「大議論」でした。それまで、銀河の存在は確かなものではなかったのです。大部分の人たちは、銀河とはわたしたちの銀河系内にある単なるうずまき星雲だと思っていました。
これは、「大議論」の間、シャプリーが支持していた考えでした。彼は天の川銀河が直径30万光年であるとも計算しました。そして、私たちが現在知っているように、この大きさは実際の大きさよりも3倍大きいのです。それでも、彼は天の川銀河が宇宙そのものであるといいました!
うずまき星雲(当時の人は銀河をこう表現していました)が実際には天の川銀河とは別の銀河または「島宇宙」であると思っていたカーティスはシャプリーに反対したのでした。そうです、宇宙はもっともっと大きいのです。
今日、うずまき星雲が別の銀河であるというカーティスの意見が正しかったということを私たちは知っています。天の川銀河は、宇宙にある誰もが知っている何千億ものうちのまさにそのひとつです!今回の写真で、私たちに最も近いさんかく座銀河系という近傍銀河(きんぼうぎんが)のうちのひとつを見ることができます。
しかし、「大議論」は、思ったほどに白黒のはっきりとしたものではありませんでした。カーティスは、たとえばわたしたちの銀河系の大きさのように、ちょっとした間違いをしていました。カーティスは、天の川銀河を正しく直径10万光年の大きさではなく3万光年であると思っていました。ところが、シャプリーは正しい議論もしています。彼は、私たちの太陽が銀河系の端に近い場所に正しく設定したのに対し、カーティスは太陽系がちょうど銀河の中心だと考えたのです。
知っ得ダネ
さんかく座銀河系は「局部銀河群(きょくぶぎんがぐん)」の3番目に大きい仲間です。そして、「局部銀河群」は重力によって結びついている一団の銀河のことです。さんかく座銀河と同じように、局部銀河群もわたしたちの銀河系をふくんでいて、アンドロメダ銀河とおよそ50個の他のより小さな銀河をふくんでいます。
この記事はESO(ヨーロッパ南天天文台)の提供によります。
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