もしあなたがラッキーなことに、曇り空なんか見たことがない地球のどこかに住んでいて、雲を見たくなったとき、心配ありません。あなたは地球の大気をこえて、宇宙の中に雲を見ることができます。
宇宙の雲のことを星雲といい、空にうかぶ雲とはずいぶんちがいがあります。たとえば星雲は宇宙にうかぶガスやチリ、おもに水素やヘリウムといったガスでできています。そして星雲の大きさは、何百光年にもなります。それは、大きすぎてはかり知れない距離(きょり)です!
空に浮かんでいる雲のように、星雲にもいろいろな形や大きさがあります。きれいな色で吹き上がるガスの柱と、輝く若い星々からなるこの写真の星雲は、モンキー星雲の一部です。
モンキー星雲は、 「発光星雲」として知られているタイプの星雲です。このタイプの星雲にあるガスは非常に高温です。なぜなら生まれたての灼熱(しゃくねつ)の星が、そのまわりを焼けるように熱い強力なエネルギー粒子の光線でチンしているからです。これはちょうど太陽の光が地球を暖めることと似(に)ていますが、それよりも、もっともっと熱いのです。
発光星雲は、ふつう赤色かピンク色に輝(かがや)きます。なぜならそこにはたくさんの水素ガスがあるからです。でもこの写真のモンキー星雲はピンク色ではありません。なぜならこれは赤外線望遠鏡で撮った写真だからです。赤外線は人間の目には見えません。ですから私たちに見えるように、天文学者たちは、赤外線のかわりに別の色をつけてわかりやすくしています。
モンキー星雲が私たちの目にどのように見えるかということは、この2番目の写真をみるとわかります。それはピンク色そのものですよ。
知っ得ダネ
「宇宙のおサル(スペース・チンプス)」という映画を観た人がいるかもしれませんが、宇宙には本もののおサルがいることを知っていますか? 初めて宇宙を人間が飛ぶずっと前に、動物たちが宇宙に打ち上げられてきました。初めておサルが宇宙を飛んだのは、1949年のことです。そしてそれ以来、たくさんの動物たちが宇宙を飛んだのです。猫、犬、ウサギ、カメ、クラゲ、クモ、カエル・・・、そしてまだまだいっぱいです!
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