小惑星を写真におさめようとすると、ちょっとやっかいです。とってもちいさくて暗い岩のかたまりを、真っ暗な夜空の中で見つけることがどんなに難しいことか想像できますか? それに小惑星たちはいつも同じ場所にいるわけではありません。地球と同じように太陽の周りを回っているし、おまけに地球が回るから、いつも違った小惑星が空に見えることになります。
でも天文学者たちは簡単にはあきらめません。それに小惑星は彼らがなんとしても調べたいものなんです。
小惑星が何からできたかがわかれば、太陽系とその惑星がどうやってできたかを理解するのに役立つでしょう。また小惑星研究は、私たちの安全にさえかかわります。小惑星がどこにあって、どのように動いているかがわかれば、もしかして地球と衝突するコース上にいるかいないかがわかります。
この写真に写っている小惑星はイトカワです。2005年に日本の探査機はやぶさが近づき、このような写真を撮ってきてから、イトカワは有名になりました。はやぶさのおかげで、私たちはイトカワの奇妙(きみょう)な形と大きさを、正確に知ることができました。それはエッフェル塔の2倍よりちょっと小さいだけです。でもその中部はどのようになっているのでしょう。
この疑問に答えるため、世界中の天文学者たちは望遠鏡を使い、もう一度イトカワに目を向けています。それ自体がどのように自転しているかを注意深く観測し、またその奇妙な形の正確な測定結果を使い、天文学者達には、イトカワの岩だらけの中心部のようすが、少しずつわかってきました。もちろん、彼らの発見したものは、とっても不思議なものです。
イトカワの内部は、2種類のとても性質のちがう岩でできていて、それらがどうやらくっついているようです。これはイトカワは、おそらく2つの小惑星が衝突して、くっついて1つになってできたということです。
知っ得ダネ
探査機はやぶさによる小惑星イトカワへの任務(にんむ)は、実はちょとした失敗でした。はやぶさはイトカワから試料を採取してくる予定でしたが、それはうまくいきませんでした。でも幸いなことに、はやぶさがイトカワにぶつかってしまった時、岩のかけらをぐうぜんにこすりとることができ、それを地球に持って帰ってきました。
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