私たちの太陽系の中で、地球以外にも惑星があると、みなさんならご存じですね。実のところ合計8つの惑星があります。いろんな点で最も地球に似た惑星は火星であり、その表面の赤い色から「赤い惑星」と呼ばれています。しかし、火星は長い間、地球のように、湖、川、海といった液体の水におおわれた、青い惑星だったことが、最近明らかになりました。
これらのおどろくべき写真は、火星のまわりをぐるぐる回っているマーズ・エキスプレス探査機によって撮影(さつえい)されたものです。惑星の表面に川床(かわどこ)が曲がりくねっていることがわかります。はるかむかしの火星を深く流れる川によって、人類がこの世に生まれる数十億年前にできたと考えられています。
火星にはまだ水がありますが、地球の万年氷のように、火星の地下や、北極と南極で氷としてあります。といってしまえば、この新しい河床は、おどろくほどの発見のようには見えないかもしれませんが、はるかに規模が大きいのです。
この河床の長さは1,500kmあり、スイスからオランダまでヨーロッパ全土を流れているライン川よりも長いのです。そしてさらに、300メートルの深さがあります。地球上のどの川よりも深いのです。
マーズ・エキスプレスのとった、これらの新しい写真は、赤い惑星の、ぞくぞくするような過去の姿を見せてくれます。そしてそれは今の私たちの地球の姿とはあまり変わっていません。
知っ得ダネ
科学者たちは数十億年前、火星が太陽系の歴史の中で最大の洪水(こうずい)にあったと考えています。今日の火星は非常に寒くて、あまりにも大気がうすいため、水が液体のままでその表面ではすぐに蒸発してしまいますから、今は想像がむずかしいですね。
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