天文学者が宇宙をのぞいて見たら、むこうから別の目が見返してきていた、などということはめったにあることではありません。でもここにあるのは、まさにそれです。これは宇宙人の目ではなく、「目」というニックネームのついた2つの銀河です。なぜなら暗やみの中で光る2つの白い眼玉のように見えるからです! (両方の目を見るには写真をクリックして下さい)
この銀河の写真は、初めに見たときには目玉のように見えません。なぜってこの写真はVLT※という非常に強力な望遠鏡で撮影(さつえい)されたためです。この目をはっきりと目らしく見るためには、ちょっと何歩か後ろに下がって写真をもう一度見てください。それかもっと良い方法は、小さな望遠鏡を使ってこれらの銀河を見ることです。そうすれば宇宙からあなたを見つめ返している2つの目のように見えますよ!
※ チリにある口径8.2mの望遠鏡4台をつないで観測できる施設
画像の左にある銀河には、黒く傷があるようにみえます。なぐられたあとみたいですね! その一番暗い部分というのは、本当はチリでできています。青いところは若い星が青く光っているのです。もう1つの銀河にはチリや青い星はありません。たぶん2つの銀河が、おたがい危ないぐらいに近づいたとき、強力な力で引きさかれてチリや若い星はどこかへ行ってしまったのでしょう。
2つの銀河は今後もおたがいが少しずつ近づいていき、最終的に1つの銀河になります。ですから銀河が1つに合体する時には、この「目」に、新しいニックネームが必要です。でもそうなるのには非常に長い時間がかかるでしょうから、天文学者たちはゆっくりと時間をかけて新しい名前を考えることができます!
知っ得ダネ
私たちの銀河である天の川銀河は、およそ30~40億年後にアンドロメダ銀河というおとなりの銀河と衝突(しょうとつ)します。
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