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ゆがんだ形でも遠くの銀河を拡大する宇宙のレンズ
19 May 2015

  あなたは今までに曲がった鏡で自分の姿を映してみたことがありますか。おもしろいでしょう? 鏡の曲がりぐあいによって、自分の背が低く体が丸く見えたり、背が高く細く見えたりしますね。にたようなことはスプーンでもできます。映った自分の顔はずいぶんと変ですね。

  鏡が曲がっていると見え方はゆがみます。メガネのレンズのように曲がりかたが強いレンズも、見え方をゆがめます。ところがそんなゆがんだ像は、宇宙にもあるのです。いわゆる「重力レンズ」で引き起こされるものです。

  昨年、天文学者は、チリのアルマ望遠鏡を使用して、とっても遠くにある銀河の変わった写真を撮りました。この写真の銀河は、曲がった鏡や特殊(とくしゅ)なカメラレンズを使って撮ったために、歪(ひず)んだ像になったのではありません。この遠くの銀河が、重力レンズを利用して観察されたからなのです。

  ここに写っている銀河は、とっても遠くにあります。そして地球とこの銀河のあいだには別の銀河があり、この地球に近いほうの銀河の重力が、遠くの銀河の姿をゆがめて見せてくれるのです。これが重力レンズの仕組みです。

  この写真を見ると、重力レンズの働きがとても強いことがわかります。遠くの銀河からやってくる光は曲げられて、輪のかたちになって像をむすんでいます。これはもとの遠くの銀河が輪の形をしていたから、なんていうことではないのです。それはちょうど曲がった鏡が、本当の姿とはちがって、あなたを背が低く丸い人のようにするのと同じことです。

  現在、天文学者たちは、この像の銀河が本当はどんな形をしているのか、重力レンズの影響(えいきょう)をさしひいた姿を知ろうと、一生けんめい努力しています。

知っ得ダネ

  あなたは、もしかして、重力レンズなんて形をゆがめるから天文学者には迷惑(めいわく)なものになる、なんて思いませんか。でも実際のところ、重力レンズはとっても助かっています。それらは遠くにある銀河をより明るく見せてくれるので、天文学者はそのくわしいようすを研究することができるのです。

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Gravity bends light of distant galaxy into a ring
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